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早稲田大学公認 総合デジタル創作サークル 早稲田コンピュータエンタテインメント

ゲームデザインについて

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ゲームデザインについて
こんにちは。WCEのRieです。今回はゲームデザインについて三つの観点から考えていきたいと思います。

(1) ゲームと先入観

 ゲームに対して人はプレイをする前から、その周辺情報をもとにして無意識にゲームの格付けを行います。有名な会社が作ったからこのゲームはちゃんとしている。同人インディーが作ったゲームだから作りが甘い。など。そしてこの先入観はゲームプレイの導入において大きな影響をもたらします。例えば最初のステージにおいてプレイヤーが躓いたとします。この時プレイヤーがゲームを始めから高く評価している場合は、「ゲームがちゃんとしているけど、クリアができないということは自分のスキルが足りないからだ。もう一度挑戦しよう」となります。しかしゲームをはじめから低く見ている場合は話が異なります。「自分がこのステージをクリアできないのは、このゲームがダメだからだ。(もうプレイするのを)やめよう!」と。まあ確かに大手が作っていないゲームの中には複雑すぎるチュートリアルや不適切なステージ設定があることも否めなませんが、しかし例え同じゲームであったとしてもこの先入観によってゲームプレイが止められてしまうことがあるのです。この対策としてインディーや同人ゲームは「最初はとても簡潔にする」「リトライを簡単に行えるようにする」などが考えられます。「最初はとても簡潔にする」に関してはそのゲームの面白さを損なってしまう可能性があるので一概には言えませんが・・・。

(2) ゲームと3D

 最近のゲームのトレンドとして3Dがあります。「いやいや何言っているの3Dなんて64の頃から人気ですよ」、という意見もあると思いますが、昔より3Dが浸透しているのは確かです。今ではスマホゲーですら綺麗なグラフィックでプレイすることができます。ここまで浸透したのは、個人的には技術の進歩に加えてUnityやUnrealなどのゲームエンジンも大きく寄与していると考えていますが、今回はそんな3Dゲームの在り方について見ていきます。
 まずゲームの面白さは何かという問いに対して「爽快感」「非現実性」「情報量の多さ」が考えられます。中でも3Dゲームは「非現実性」「情報量の多さ」が主軸になっていると思います。「非現実性」とはその名の通りいかに現実から離れているかを指し、例えば空を飛べるとか、強盗をしても捕まらないとかです。そして3Dゲームはその「非現実性」を3D空間及び、リアリティの高いグラフィックによって「現実性」を高めたまま味わうことができます。そこが3Dゲームの魅力の一つと言ってもよいでしょう。また「情報量の多さ」もゲームの面白さに繋がっていきます。「情報量」が多いことによって「現実性」が高まりゲームの世界にリンクしていくこともありますが、それに加えてアクションゲームなどにおいては2Dアクションなどにある「距離」の概念に加えて「奥行き」という概念が加わり、ゲームの戦略性や深みが増していきます。また3Dによる情報量の増加によって「フロー状態」により近づくことができます。これこそ3Dゲームの醍醐味なのです。
 では以上の観点から2Dゲームは3Dゲームより劣っているのでしょうか。そんなことはきっとありません。もしそうだったならば、2Dアクションは遥か昔に無くなっています。
「情報量が少ない」ことにもメリットはあるのです。その一つにゲームのプレイをシンプルにしてくれるというものがあります、例えば3Dマリオを始めたころだと、狙ったブロックを叩くのが難しいなど操作や距離感に難しさが発生することがありますが、2DにおいてはX軸とY軸さえ合えばある程度思い通りに動かすことができ3Dとは違ったアクションの奥深さを味わうことができます。

(3) クソゲーバスター

 世の中には星の数ほどゲームがあり、そして星の数ほどクソゲーがあります。今回はそんなクソゲーを糧にして良ゲーとはなにかを模索していきたいと思います。
 クソゲーの代名詞としてよく挙げられるのがトランスフォーマーコンボイの謎です。ゲーム開始直後からドットのレベルの小さな弾が背景と同化して飛んでくるやつです。絶対テストプレイしてなさそうなところがいい感じにクソゲーです。トランスフォーマーのゲームなので車状態(?)にトランスフォームすると回避できるらしいですが、それを知っていないと絶対初見で殺されます。まあ製作者はそれを知っているからこそ回避でき、そのままGOサインを出したんでしょうが・・・ということで良ゲーにするための一つ目のポイントは「製作者とプレイヤーのゲームに対する知識の差を考える」ことになります。
 お次は星をみるひとです。BGMのほうは評価が高いですが、ゲームのほうは本格的なクソゲーになっています。まず、出だしからフィールドに投げだされます。名作とされるドラクエは王様の部屋から始まったり、ゼルダにおいても最初のマップに洞窟をおいて誘導をしていますが、このゲームはそうはいきません。しかも最初の街は超能力で隠れてますし・・。また、このゲームはRPGなのですがHPの下一桁が表示されません(?)、なので大体のHP管理で進めていくことになります。ほかにも色々あるのですがとりあえずここで得られる教訓は「プレイヤーを誘導する」「プレイヤーに必要な情報を提示する」です。

まとめ

 まとめとして「プレイヤー目線に立って開発すること」という案外シンプルなものが得られます。とりあえず困ったら自分の作っているゲームと同じジャンルの名作を見てみて、何が足りないのか、何が不要なのかを知ることが大事になってくると思います。
それでは良いゲームライフを!!